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薬物療法

精神性の多汗は、心がかいた汗です。

私たちの心の要は大脳にあるのですが、そのなかでも汗のコントロールは、大脳辺縁系と視床下部の一部が受け持っています。

ところが、心がいつも汗をかいている状態になると、大脳皮質やそれ以外の潜在意識の部分も関係してくるようなんです。

というのも、精神性多汗症の人には、なにかと自分を否定的に追い込んでしまう人が多いからです。

そういうネガティブな発想は大脳皮質で行われるものですし、さらには潜在意識の部分がかかわると、汗をかくまえに予期不安が先にたってしまいます。


こういった不安を薬でとりのぞく療法もあります。

精神安定剤(マイナートランキライザーなど)や自律神経中枢調整剤(ベレルガルなど)、中枢性の睡眠剤(バルビタールなど)などを用います。


また、精神安定剤以外にも、発汗のしくみに直接作用する薬があります。

脳からエクリン汗腺に、「汗をかけ」という指令をつたえるのは交感神経なのですが、そのときにアセチルコリンという化学物質が神経と神経をつないでいます。

つまり、このアセチルコリンを抑制する薬(抗コリン剤)を投与すれば、発汗そのものをおさえることができるわけです。

ただし、副作用として、口の渇きや便秘、胃腸障害などがありますので、注意してください。

また、緑内障や高血圧、前立腺肥大の人は特に注意して使用しましょう。


薬を使うと予期不安が減るだけでなく、汗そのものも確実に減ったという自信にもつながります。

この自信こそが、不安を打ち消す最善の薬なんです。

汗は減らせるのだという自信がつけば、緊張と発汗が繰り返していた悪循環を断ちきれるばかりか、自信がさらに汗をおさえ、それがまた自信につながるという好循環になっていきます。

この好循環をつくることができれば、汗のことばかり考えていた意識を別の事に向ける余裕も生まれてくるはずです。


なお、薬物療法で効果があらわれた人は、薬をふだんから持ち歩くようにしましょう。

実際に飲む飲まないにかかわらず、「いざとなれば薬で汗をおさえられる」という安心感が得られます。

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